勝負ラボ / 還元率ラボ

ギャンブル還元率ランキング
— 控除率を「条文」と「数式」から並べる

このページについて:確率と期待値の学習ツールです。 現金・賭け金・賞金・ポイント等を一切扱わず、換金・出金の仕組みもありません。 画面の「円」はすべてシミュレーション上の数値です。賭博の勧誘・オンラインカジノ等への誘導は一切行いません。
還元率の比較記事はたくさんありますが、その数字が「どこから来たのか」を書いているものはほとんどありません。 このページの数字は2種類しかありません。①法律の条文に書いてある下限・上限と、 ②数え上げで導出できる値です。出典が確定できなかったものは、数字を書かずに「未検証」と書いてあります。

結論:還元率の高い順に並べるとこうなる

まず全体像です。根拠の種類が違うものを同じ表に並べているので、右端の「根拠」を必ず一緒に見てください。 公営競技の値は「法律が保証している下限」であって、実際の還元率そのものではありません。

種目・賭け方還元率控除率根拠
ブラックジャック(ベーシック戦略)約 99.5%約 0.5%参考値・ルール依存
バカラ バンカー98.94%1.06%文献値
バカラ プレイヤー98.77%1.23%文献値
クラップス パスライン98.59%1.41%全列挙で導出
ルーレット 0のみ+ラ・パルタージュ98.65%1.35%数式で導出
ルーレット 0のみ(37マス)97.30%2.70%数式で導出
シックボー 大/小97.22%2.78%全列挙で導出
ルーレット 0と00(38マス)94.74%5.26%数式で導出
中央競馬(JRA)単勝・複勝80.0%20.0%JRA公表値
競艇(ボートレース)75%(法定下限)25%までモーターボート競走法
中央競馬(JRA)3連単72.5%27.5%JRA公表値
競輪70%(法定下限)30%まで自転車競技法
オートレース70%(法定下限)30%まで小型自動車競走法
バカラ タイ(8倍配当)85.6%14.4%文献値
宝くじ50%(法定上限)50%以上当せん金付証票法
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還元率が高い=勝てる、ではありません。 控除率が 1% でも 25% でも、期待値の符号はどちらもマイナスです。 違うのは「同じ金額を失うまでに、どれだけ長く遊べるか」という速さだけです。 控除率が低いゲームは「負けにくい」のではなく、負けるのが遅いだけです。

すべてを貫く1本の式

E[収支] = −(控除率)×(賭けた総額) 賭け方をどう変えても、この式の右辺は動きません。動かせるのは「賭けた総額」だけです。

この式が意味するのは、還元率の表は「1回あたりの損失率」ではなく「回転させた総額に対する目減り率」の表だということです。 だから同じ1万円でも、1回だけ賭けるのか、1,000円ずつ100回に分けるのかで、期待損失は10倍以上変わります。 下の計算機はそこを確かめるためのものです。

計算機:同じ資金が、何回で半分になるか

法律は「還元率の床と天井」を決めている

公営競技と宝くじは、還元率が事業者の裁量で自由に決まっているわけではありません。 法律の条文に、下限または上限が書いてあります。以下は e-Gov 法令検索で取得した現行条文からの引用です (日本の法令は著作権法13条により著作権の目的となりません)。

競馬 — 下限 70%(競馬法 第8条)

「…売得金…の額に百分の七十以上農林水産大臣が定める率以下の範囲内で日本中央競馬会が定める率を乗じて得た額に相当する金額…を…払戻金として交付しなければならない」

つまり法律は「70%は必ず返せ」としか言っていないので、実際の還元率は券種ごとにJRAが決めています。 実測値(単勝80%〜WIN5 70%)は 券種別の払戻率一覧にまとめてあります。

競艇 — 下限 75%(モーターボート競走法 第12条)

「…舟券の売上金…の額の百分の七十五以上国土交通大臣が定める率以下の範囲内で施行者が定める率に相当する金額を…払戻金として交付しなければならない」

公営競技の中で法定下限がいちばん高いのは競艇です。この1条文が、還元率の比較記事で競艇が上位に来る理由です。

競輪・オートレース — 下限 70%

競輪(自転車競技法 第9条)「…車券の売上金…の額に百分の七十以上経済産業大臣が定める率以下の範囲内で競輪施行者が定める率を乗じて得た額…」
オートレース(小型自動車競走法 第13条)「…勝車投票券の売上金…の額に百分の七十以上経済産業大臣が定める率以下の範囲内で…」

宝くじ — 上限 50%(当せん金付証票法 第5条)

「当せん金付証票の当せん金品の金額又は価格の総額は、その発売総額の五割に相当する額(加算型当せん金付証票にあつては、その額に加算金の額を加えた額)をこえてはならない

ここだけ書き方が逆です。他の公営競技は「これ以上返せ」という下限ですが、 宝くじは「これ以上返してはならない」という上限です。 宝くじの還元率が50%を超えることは、法律上ありえません。 還元率ランキングで宝くじが常に最下位付近にいるのは、運用の結果ではなく制度設計そのものです(→ 条文と当せん確率をまとめた宝くじ専用ページ)。

カジノ側の控除率は、数え上げで確定する

公営競技が「法律で決まる」のに対して、カジノゲームの控除率は配当表とルールから一意に計算できます。 ここに載せた4つは、このページのために実際に数え上げて出した値です。

ルーレット(数式)

0と00がある38マスの台で、どの賭け方を選んでも配当は「当たりマス数 ÷ 38」に対して36倍相当に設計されています。

E = 36 ÷ 38 − 1 = −5.263%0だけの37マス台なら 36 ÷ 37 − 1 = −2.703%

ラ・パルタージュ(0が出たとき偶数賭けの半額が戻るルール)が付くと、 偶数賭けに限って損失が半分になり −1.351% まで下がります。 同じ「ルーレット」でも、台のルールで控除率が4倍近く変わるということです。

クラップス パスライン(全列挙)

2個のサイコロの36通りと、ポイント成立後の「7が先か、ポイントが先か」の条件付き確率を全部足し上げると、 勝率は 244/495 = 49.293%。配当は等倍なので

E = 2 × 244/495 − 1 = −7/495 = −1.414%

シックボー 大/小(全列挙)

3個のサイコロの216通りを全部数えると、ゾロ目を除いた11〜17(または4〜10)は105通り。配当は等倍なので

E = 2 × 105/216 − 1 = −2.778%

還元率が同じでも、危険度は同じではない

還元率の表には載っていない変数が2つあります。ここを見落とすと表を読み違えます。

  1. 分散(ブレの大きさ)。バカラのタイ(控除率14.4%)と宝くじ(50%以上)はどちらも期待値が悪いですが、 資金の減り方はまったく違います。当たりが薄いほど、期待値どおりに減るまでに極端な上下を経由します。
  2. 1時間あたりの回転数。控除率1%のゲームを1時間に600回転させると、 控除率25%のゲームを1時間に20回転させるのと期待損失はほぼ同じになります。 控除率の低さは、回転数の速さで簡単に打ち消されます。

だから「還元率が高いゲームを選ぶ」より先に効くのは、賭けた総額そのものを小さくすることです。 上の式の右辺で、自分が動かせるのはそこだけだからです。

このページで「未検証」にしたもの

条文の取得日:2026年9月5日(e-Gov 法令検索 API・現行法令)。 JRAの券種別払戻率は 控除率一覧ページに出典つきで掲載しています。