まず全体像です。根拠の種類が違うものを同じ表に並べているので、右端の「根拠」を必ず一緒に見てください。 公営競技の値は「法律が保証している下限」であって、実際の還元率そのものではありません。
| 種目・賭け方 | 還元率 | 控除率 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| ブラックジャック(ベーシック戦略) | 約 99.5% | 約 0.5% | 参考値・ルール依存 |
| バカラ バンカー | 98.94% | 1.06% | 文献値 |
| バカラ プレイヤー | 98.77% | 1.23% | 文献値 |
| クラップス パスライン | 98.59% | 1.41% | 全列挙で導出 |
| ルーレット 0のみ+ラ・パルタージュ | 98.65% | 1.35% | 数式で導出 |
| ルーレット 0のみ(37マス) | 97.30% | 2.70% | 数式で導出 |
| シックボー 大/小 | 97.22% | 2.78% | 全列挙で導出 |
| ルーレット 0と00(38マス) | 94.74% | 5.26% | 数式で導出 |
| 中央競馬(JRA)単勝・複勝 | 80.0% | 20.0% | JRA公表値 |
| 競艇(ボートレース) | 75%(法定下限) | 25%まで | モーターボート競走法 |
| 中央競馬(JRA)3連単 | 72.5% | 27.5% | JRA公表値 |
| 競輪 | 70%(法定下限) | 30%まで | 自転車競技法 |
| オートレース | 70%(法定下限) | 30%まで | 小型自動車競走法 |
| バカラ タイ(8倍配当) | 85.6% | 14.4% | 文献値 |
| 宝くじ | 50%(法定上限) | 50%以上 | 当せん金付証票法 |
この式が意味するのは、還元率の表は「1回あたりの損失率」ではなく「回転させた総額に対する目減り率」の表だということです。 だから同じ1万円でも、1回だけ賭けるのか、1,000円ずつ100回に分けるのかで、期待損失は10倍以上変わります。 下の計算機はそこを確かめるためのものです。
※ ここに出るのは期待値です。実際の結果は上下に大きくブレます(次の節)。
公営競技と宝くじは、還元率が事業者の裁量で自由に決まっているわけではありません。 法律の条文に、下限または上限が書いてあります。以下は e-Gov 法令検索で取得した現行条文からの引用です (日本の法令は著作権法13条により著作権の目的となりません)。
つまり法律は「70%は必ず返せ」としか言っていないので、実際の還元率は券種ごとにJRAが決めています。 実測値(単勝80%〜WIN5 70%)は 券種別の払戻率一覧にまとめてあります。
公営競技の中で法定下限がいちばん高いのは競艇です。この1条文が、還元率の比較記事で競艇が上位に来る理由です。
ここだけ書き方が逆です。他の公営競技は「これ以上返せ」という下限ですが、 宝くじは「これ以上返してはならない」という上限です。 宝くじの還元率が50%を超えることは、法律上ありえません。 還元率ランキングで宝くじが常に最下位付近にいるのは、運用の結果ではなく制度設計そのものです(→ 条文と当せん確率をまとめた宝くじ専用ページ)。
公営競技が「法律で決まる」のに対して、カジノゲームの控除率は配当表とルールから一意に計算できます。 ここに載せた4つは、このページのために実際に数え上げて出した値です。
0と00がある38マスの台で、どの賭け方を選んでも配当は「当たりマス数 ÷ 38」に対して36倍相当に設計されています。
ラ・パルタージュ(0が出たとき偶数賭けの半額が戻るルール)が付くと、 偶数賭けに限って損失が半分になり −1.351% まで下がります。 同じ「ルーレット」でも、台のルールで控除率が4倍近く変わるということです。
2個のサイコロの36通りと、ポイント成立後の「7が先か、ポイントが先か」の条件付き確率を全部足し上げると、 勝率は 244/495 = 49.293%。配当は等倍なので
3個のサイコロの216通りを全部数えると、ゾロ目を除いた11〜17(または4〜10)は105通り。配当は等倍なので
還元率の表には載っていない変数が2つあります。ここを見落とすと表を読み違えます。
だから「還元率が高いゲームを選ぶ」より先に効くのは、賭けた総額そのものを小さくすることです。 上の式の右辺で、自分が動かせるのはそこだけだからです。
条文の取得日:2026年9月5日(e-Gov 法令検索 API・現行法令)。 JRAの券種別払戻率は 控除率一覧ページに出典つきで掲載しています。