BOAT RACE公式の用語辞典(払戻金)にはこう書かれています。 「勝舟投票券の的中者に対して売上金(返還金を除く)の額の100分の75(正式には100分の75以上で施行者の定める率)に相当する金額を的中者に按分して払戻金とする」。 根拠法のモーターボート競走法(昭和26年法律第242号)も、払戻金を売上金の「百分の七十五以上国土交通大臣が定める率以下の範囲内で施行者が定める率」と規定しています。
この25%は、どんな買い方をしても変わりません。ココモ法が変えられるのは損益のばらつきの形だけで、 期待される損失は「賭けた総額 × 25%」から動きません。
賭け金の並びと、そこまでの累計損失です。数列そのものはオッズに関係なく同じになります。
| 何回目 | その回の賭け金 | 直前までの累計損失 | そこまで全外れの確率※ |
|---|---|---|---|
| 1回目 | 1,000 | 0 | 100% |
| 2回目 | 1,000 | 1,000 | 87.5% |
| 3回目 | 2,000 | 2,000 | 76.6% |
| 4回目 | 3,000 | 4,000 | 67.0% |
| 5回目 | 5,000 | 7,000 | 58.6% |
| 6回目 | 8,000 | 12,000 | 51.3% |
| 7回目 | 13,000 | 20,000 | 44.9% |
| 8回目 | 21,000 | 33,000 | 39.3% |
| 9回目 | 34,000 | 54,000 | 34.4% |
| 10回目 | 55,000 | 88,000 | 30.1% |
| 12回目 | 144,000 | 232,000 | 23.0% |
| 15回目 | 610,000 | 986,000 | 15.4% |
右端の列を見てください。10回連続で外れる確率は30.1%です。3回に1回近く起きます。 そのとき賭け金は55,000円、それまでに88,000円が消えています。 「連敗が続いても賭け金が緩やかにしか増えない」というココモ法の説明は数列としては正しいのですが、 的中率12.5%の買い目では、その緩やかな増え方でも普通に届きます。
ココモ法は「配当3倍のゲームで、n回連敗したあとに1回当たれば、それまでの損失を全部返して利益も出る」ように作られた数列です。 n連敗後に的中したときの純益を、オッズ別に計算するとこうなります。
| オッズ | 連敗なし | 2連敗後 | 4連敗後 | 5連敗後 | 6連敗後 | 8連敗後 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2.0倍 | +1,000 | ±0 | −2,000 | −4,000 | −7,000 | −20,000 |
| 2.5倍 | +1,500 | +1,000 | +500 | ±0 | −500 | −3,000 |
| 3.0倍 | +2,000 | +2,000 | +3,000 | +4,000 | +6,000 | +14,000 |
| 3.5倍 | +2,500 | +3,000 | +5,500 | +8,000 | +12,500 | +31,000 |
| 4.0倍 | +3,000 | +4,000 | +8,000 | +12,000 | +19,000 | +48,000 |
3.0倍以上なら、連敗が深いほど利益が増えます(これが本来のココモ法の姿)。 つまりココモ法を成立させたいなら、オッズ3.0倍以上の買い目に限る必要があります。 ただし3.0倍以上ということは的中率が25%以下ということでもあるので、連敗の側が長くなります。 シミュレーターでオッズを動かして、両方を同時に見てください。
「オッズ3倍以上に限れば成立する」といっても、それは「1サイクルの帳尻が合う」という意味だけです。 トータルの期待値はこの式から動きません。
むしろココモ法は連敗中に賭け金が増えるぶん、定額より総ベット額が大きくなります。 期待損失は総ベット額に比例するので、ゆっくり賭け金を増やす方法ほど、長期の期待損失は大きくなるという結果になります。 下のシミュレーターで、資金管理の方法だけを切り替えて「平均の総ベット額」を比べてみてください。
下のシミュレーターで実際に回した結果です。券種=ボートレース(払戻率75%)/初期資金10万円/基準1,000円/
1レース上限50,000円/100レース/5,000セッション/乱数シード 20260902。
同じ数字を入れれば再現できます。
| 設定 | 平均の総ベット額 | 平均収支(実測) | 理論値 −25%×総ベット額 | プラス率 | 続行不能 | 回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 定額・オッズ6.0倍 | 100,000 | −25,323 | −25,000 | 11.3% | 0.0% | 74.68% |
| ココモ法・オッズ6.0倍 | 127,027 | −31,796 | −31,757 | 23.8% | 99.9% | 74.97% |
| ココモ法・オッズ2.5倍 | 208,832 | −53,037 | −52,208 | 25.1% | 73.0% | 74.60% |
ココモ法にすると、プラスで終わる割合は11.3% → 23.8% と2倍以上になります。 「効いている」ように見えるのはここです。ところが平均収支は −25,323円 から −31,796円 へ悪化しています。 理由は表の2列目にあります。総ベット額が10万円から12.7万円に増えたからです。 期待損失=控除率25% × 総ベット額なので、賭け金を増やす仕組みを足すと期待損失もそのぶん増えます。
そしてオッズ2.5倍にすると、平均損失は −53,037円まで悪化します。 数列が3倍配当を前提にしているのに配当が2.5倍しかないので、 連敗のたびに膨らんだ賭け金が的中しても回収しきれず、総ベット額だけが20.9万円まで膨らむからです。
1レースずつは手で進みます(自動再生は任意)。一括試行は最大5,000セッションをまとめて回します。 オッズを2.5・3.0・6.0と変えて、破綻率と回収率がどう動くかを見比べてください。
その説明は「配当が常に3倍以上」かつ「資金が無限」かつ「当たるまで続けられる」の3つが同時に成り立つ場合の話です。 競艇のオッズは固定ではないので1つ目から崩れますし、資金は有限です。 上の表のとおり、オッズ2.5倍では6連敗以降、的中しても損失が残ります。
「破綻するまでの時間」は伸びます(賭け金の増え方が2倍ではなく約1.6倍なので)。 そのぶん1回の破綻で失う額は大きくなり、総ベット額も増えます。 期待収支=−控除率×総ベット額なので、長く続けられる方法ほど期待損失は大きくなります。 どちらがマシかは「何を守りたいか」で変わり、期待値では差がつきません。
オッズが高いほど1サイクルの利益は大きくなりますが、的中率が下がるので連敗が長くなります。 3連単でオッズ20倍なら的中率は3.75%。10連敗が68%の確率で起きます。 ココモ法の数列は10回目で55,000円、累計88,000円です。シミュレーターの券種を「ボートレース 3連単」にして確かめてください。
連敗中にやめると、そこまでの損失がそのまま確定します。ココモ法は「最後に当てて回収する」設計なので、 やめ時を決めるほど回収されない損失が残る形になります。 シミュレーターの「利益目標に届いたらやめる」を設定して、一括試行の合計収支を見比べてください。