勝負ラボベッティングシステム検証室 / パーレー法

パーレー法(逆マーチンゲール)シミュレーション
— 破綻しないのに、なぜ資金が減るのか

このページについて:賭け方の数学的な性質を検証するための学習ツールです。 現金・賭け金・賞金・ポイント等を一切扱わず、換金・出金の仕組みもありません。 表示される「円」はすべてシミュレーション上の数値で、実際の金銭のやり取りは発生しません。 オンラインカジノ等の紹介・誘導も行いません。
パーレー法は、マーチンゲール法の逆です。勝ったら賭け金を2倍にし、負けたら基準額に戻します。 決めた連勝数に届いたら利益を確保して仕切り直します。 1サイクルで失うのは基準額1つ分だけなので、破綻はほとんどしません。 それでも資金は減っていきます。その理由をここで確かめます。

仕組みと数式

基準額 b、目標連勝数 t とすると、成功したときの利益と成功確率はこうなります。

成功時の利益 = b ×(2t − 1) / 成功確率 = pt p はそのゲームの勝率(ヨーロピアンルーレット赤黒なら 18/37 ≒ 0.4865)

連勝の確率は掛け算なので、目標を1つ増やすたびに成功率はおよそ半分になります。 一方で失敗したときの損失は、どの目標でも基準額1つ分のままです。 「リスクは小さく、リターンは大きい」——ここまでは事実です。問題はその釣り合いです。

目標連勝数成功確率成功時の利益1サイクルの期待収支1サイクルの期待総ベット額−控除率×総ベット額
2連勝23.67%+3,000−53.31,973−53.3
3連勝11.51%+7,000−78.92,920−78.9
4連勝5.60%+15,000−103.83,841−103.8
5連勝2.72%+31,000−128.04,737−128.0
※ 表は横にスクロールできます。基準額1,000円・ヨーロピアンルーレット赤黒の場合。

右の2列を見比べてください。1サイクルの期待収支は、「−控除率 × そのサイクルで賭ける総額」と小数点以下まで一致します。 そして目標連勝数を上げるほど1サイクルで賭ける総額が増えるので、期待損失も素直に増えます。 「大きく狙うほど期待値が良くなる」ということはありません。逆です。

破綻はしない。でも減る

次の数字は、下のシミュレーターで乱数シードに 20260902、セッション数に 5,000 を入れれば同じ結果が再現できます (ヨーロピアンルーレット赤黒/初期資金100,000/基準額1,000/テーブル上限20,000/最大200ゲーム)。

目標破綻率プラスで終了平均収支収支の中央値最良平均総ベット額理論値
3連勝0.02%35.3%−9,226−10,000+106,000338,021−9,136
4連勝0.64%37.7%−11,018−12,000+184,000415,944−11,242
5連勝6.00%33.9%−12,941−13,000+227,000494,534−13,366

破綻率は3連勝でわずか0.02%(5,000セッション中1件)。ほぼ絶対に飛びません。 それでもプラスで終わるのは3分の1程度で、平均は約9,000円のマイナスです。 5,000セッションの合計は −4,613万円

マーチンゲール法とパーレー法は、損益の形が正反対です。
マーチンゲール法は「小さくたくさん勝って、たまに全部失う」。
パーレー法は「小さくたくさん負けて、たまに大きく勝つ」。
どちらも平均は「賭けた総額 × 控除率」ぶんのマイナスです。ベッティングシステムが変えられるのは形だけで、平均は動きません。 一括試行のヒストグラムを両方見比べると、山の向きが左右で反転しているのが分かります。

「損失が限定されているから安全」は半分だけ正しい

1サイクルの最大損失が基準額1つ分なのは事実です。破綻しにくいのも事実です。 ただし「破綻しない」と「減らない」は別です。 上の実測では200ゲームで平均338,021円を賭けており、その2.70%=約9,100円が期待損失になります。 負け方が静かなだけで、削られる速さは他のシステムと同じ式に従います。

パーレー法 シミュレーター

1回プレイは1ゲームずつ手で進みます(自動再生は任意で、結果が勝手に流れることはありません)。 一括試行は同じ設定を最大5,000セッション回します。乱数シードを入れれば同じ結果を何度でも再現できます。 「何連勝で利確するか」も変えられます。

試してほしい設定

1|目標連勝数を 2 → 5 と上げてみる

1つ上げるごとに平均収支が悪化します。狙いを大きくすると、その分だけ多く賭けることになるからです。 「一撃を狙うほど期待値が良くなる」ということはありません。

2|ヒストグラムの形を見る

一括試行の分布は左に大きな山、右に長い裾になります。 マーチンゲール法の分布(右に山、左に長い裾)とちょうど鏡写しです。 どちらも山の重心は0より左側にあります。

3|控除率をゼロにする

ゲームを「公正なコイン(控除率0%)」に変えると、平均収支はほぼ0になります。 負ける原因はパーレー法ではなく控除率です。